私たち629グループは、制作・撮影技術・カメラ演出・編集MAまで一貫して担うことを強みとし、
ライブ・エンタテインメントを中心に映像づくりに取り組んでいます。
今回のリニューアルでは、グループページならびに、629とARKのページも刷新しました。
このブログでは、表面的な変更点だけでなく、コピーやデザインの検討を通して見えてきた、「私たちらしさ」を
言葉にするまでのプロセスを振り返ります。
─悪くはない。でも届いてない。─
旧サイトが悪かったわけではありません。
長く私たちを支えてくれた、大切な場所でした。けれど、少しずつ感じるようになったのは、
今の私たちの姿と、そこで表現されている言葉や世界観とのギャップでした。
組織のあり方、事業のあり方、チームの関係性、伝えたいメッセージ——どれも変化している中、
その変化が、サイトでより伝えたいという思いからリニューアルプロジェクトは始まりました。
─言葉と向き合う──「私たちらしさ」とは何か?─
最も時間を費やしたのが、トップページに掲載するコピーの検討でした。
単に印象的な言葉を置くのではなく、自分たちの軸が何かを言語化する必要があったからです。
だからこそ、何十もの案が出て、何度も壁打ちし、時には方向性に迷い、立ち止まりました。
(今回一緒に制作に取り組んでくれたRYDENのみなさんには、ずいぶんとご迷惑をおかけしました、、)
629の歴史、創ってきたもの、これからも大事にしたい信念など様々な角度から
プロジェクトメンバーとディスカッションしました。
その過程で気づいたのは、「いいコピー」を探すのではなく、
“私たちが信じられる言葉”を見つけることが本質なんじゃないかということでした。
─私たちがコピーに込めた“3つの軸”─
最終的に、社内で合意したコピーは端的でありながらも、深く私たちを表す言葉になりました。
決定コピー:「想いを紡ぎ、ひとを結ぶ。」

この言葉をつくる過程で、私たちの中に定まっていった軸は、次の3つです。
1|「想いを受け取る」こと
私たちの仕事は、カメラや編集機材を扱う前に、人の想いを受け取ることから始まると思っています。
アーティスト、クライアント、チームメンバー。
誰かが抱える感情や希望を丁寧に受け止めることが、すべての原点です。
2|「かたちにする」こと
受け取った想いを、映像というメディアを通して具体化していく。
これは感性や美意識だけではなく、技術と対話の積み重ね。
ひとつひとつの現場が、クラフトとして成立しているという自負があります。
3|「ひととひとをつなぐ」こと
完成した映像が伝えるのは、「作品」ではなく、「ひと」。
私たちの映像が誰かの心を動かし、記憶に残り、誰かと誰かをつなげる。
それがこの仕事の価値であり、私たちが大切にしたい未来への役割です。
─デザインにも、「私たちらしさ」を。─
コピーを決めたあと、私たちはその言葉が自然と馴染むビジュアルを探っていきました。
目指したのは、説明よりも感覚に訴える表現。語りすぎず、余白を残すこと。
細部にフォーカスしたミクロな視点や、抽象的な構成は、
言葉になる前の想いや、人と人の間にある“気配”のようなものを連想させます。
それは、映像や音楽の本質にも重なる感覚です。
見る人それぞれが、自分なりの感情を重ねられるように——。
そんな意図を込めて、言葉とデザインを一体のものとして捉えました。
今後、見せ方や手法は変わっていくかもしれません。
けれど大切にしているのは、軸をぶらさずに、表現の幅を広げていくということ。
そのあり方こそが、私たちの「らしさ」だと考えています。
─これは、文化をつくる挑戦でもある─
今回のプロジェクトは、単なる「WEBリニューアル」ではありません。
社内の様々な部署のメンバーが関わり、「629って、なんの会社?」「自分たちはどこに向かいたいの?」という
組織としての問い直しの時間でもありました。
特に注意したのは、「好みではなく、“らしさ”を言語化するには?」という問い。
チーム内には多様な視点・立場・感性があった中で、
議論の末に気づいたのは、“全員の納得”は必要ない。でも、“全員の尊重”は必要だということでした。
それぞれの想いがぶつかり合いながらも、
(プロジェクトをファシリテートさせていただいた広報としてはそう信じたいです、、)
それこそが今回の最大の成果だったかもしれません。
─最後に─
リニューアルは、目的ではなく通過点である手段です。
あらためてこのサイトを見つめると、そこに映っているのは、「未来」や「ビジョン」という理想ではなく、
過去の積み重ねを言葉にし、今の私たちを率直に映し出した姿です。
そしてこの場所が、誰かと誰かの想いが交わる「間」となり、
また新しいつながりや物語が生まれていくきっかけになればと思っています。
時代はすごいスピードで変化していますが、映像と音楽を信じて、その機会を大事にしながら、
変化(change)を恐れず、挑戦(challenge)を楽しみ、対話(communication)を重ね、全てのつながり(connect)を
チカラにしていきます。
そして今後も“私たちらしさ”を、更新し続けていければと思います。